尾瀬(2日目)
2011年 08月 07日
1日目は3時間の行程で宿泊地の尾瀬沼ヒュッテに着きましたが、
2日目は燧ヶ岳に登ったあと見晴で夏目さんたちと合流して尾瀬ヶ原を通って鳩待峠に至る、
という約8時間(すんなり行って)の行程です。
前日は3時間しか歩いていないので疲れもほとんどなく寝付きは悪かったのですが
それでもけっこう寝ることができました。アラームが鳴るまで起きなかったほど。
夜中に一度、隣の村上さんがトイレから戻ってくる気配で軽く目を覚ましたのですが
後に聞いたところによるとお酒にやられてトイレでグッタリしてたとのこと…。
2日目にはなんとか元気になったものの、少し"リタイア"の文字が頭をかすめたそうな。
【登山ルート】
1日目:大清水 → 一ノ瀬 → 三平下 → 尾瀬沼ヒュッテ(設営)
2日目:尾瀬沼ヒュッテ(撤収) → マナイタグラ → シバヤスグラ → 見晴 → 山ノ鼻 → 鳩待峠
まだ外は暗いので星は見えないものかと妻と一緒に外へ出てみました。
でも、意外と綺麗に見えないものですね。朝が近いから?それとも曇ってる?
たぶん前者のような気がします。バーンと広がる満天の星空を見てみたいものです。
この時点で気温は14℃。なんて暖かいのでしょう。
確かに寝た時の格好を思い出してみると、シュラフは布団のようにかぶせただけで、
長袖ジオラインLWとノースフェイスのパンツ、裸足、というスタイルでした。
こんな日は夏目さんたちのフロアレス・シェルターがとても羨ましいです。
5時をすぎてしまいましたが出発前に尾瀬沼を見に行きました。
静まり返り朝霧に包まれた尾瀬沼は、それはそれは幻想的でした。
ここにテントを張ってずっと湖面を見ていたいと思うほど。
そして写真を撮ろうとカメラを構えた僕らの目の前を鳥の親子が泳いでいきました。
尾瀬沼の湿原を歩いて燧ヶ岳の登山道に向かいますが、あまりに綺麗でなかなか足が進まず。
1時間ほど登るとけっこう険しい道になってきます。
というか、先日の大雨で登山道がダメージを受けているようで、
いたるところで崩壊してるなど登りづらい道になっていました。
やっと開けたぞ!と、展望を期待しましたがガスがけっこうあって微妙。
今回はハーフパンツに素足ですが進まねば始まりません。がんばろ〜!
生い茂る植物をかき分けてガシガシ進みます。蒸せかえるような緑の匂い。
夏目さんたちと待ち合わせしている見晴もクッキリ見えています。
写真で言えば真ん中少し下あたりの白い部分が見晴で、
その後は奥へずっと木道を歩いていくことになります。
10:30に待ち合わせている見晴まで、コースタイムで約2時間。
逆算するとギリギリです。う〜ん、なんか不穏な空気が流れてきました。
しかし、この下山道がかなり曲者でした。登りよりもはるかに崩壊の度合いがキツいのです。
ずっとソフトボール大のガレ石がゴロゴロ転がっている恐ろしく歩きづらい道が続い後は
写真のように土砂崩れが登山道を完全に塞いでいる場所があったりします。
なんとか脇道を探して迂回したりして、かなりアスレチックな下山となりました。
変則的な動きを要求される登山道に途中から各々のペースにバラつきが出てきました。
特に僕の体力の消耗が激しくだんだんと疲労がたまってきました。
いつもより2kg重いだけでこんなに辛いもの?と自問自答したり、
「きっとコースタイムより時間かかりますよ」という夏目さんのアドバイスを思い出したり。
体力はまだあるのだけど足が弱ってきている感じ。…サポートタイツ、導入してみるか…。
そんなことをグルグル考えながら下山。時計を見ると10:30はとっくに回っています。
遥か先を歩いていった妻と村上さんに夏目さんたちへの伝言はまかせて力を振り絞ります。
途中、見晴まで残り600mのところで妻が待っていてくれました。
1時間も待たされたのに、お二人は笑顔で「大変だったでしょ」のねぎらいの言葉。
先に到着していた村上さんも涼しい顔でした。村上さん、体力あるなぁ。
ほんと、燧ヶ岳はなかなか渋い山でした…。今後はパスしたいと思います(笑)。
水(1L)も無くなってしまってたので売店で500mlのお茶を購入し一気飲み。
前日は3時間の平地歩きだったので水も500mlぐらいしか減らず「1Lで足りるだろう」と
深く考えずにいたのですが、山に登るというのはこんなに体力を消耗するもんなんだなぁ。
1時間もお待たせしてしまったのに、さらに少し休憩させてもらったらだいぶ回復しました。
左から夏目さん、ゆみこさんの山と道 U.L.フレームパック ワン、
村上さんのゴーライト ジャム、妻のクレッタルムーセン ギノア、
僕のクレッタルムーセン ルスクヴァ。
仕事柄、ザックの形状とか構造に並々ならぬ興味をお持ちの夏目さんは
「ちょっとザックを交換してみましょう!」という面白い提案をしてくれました。
なんでもクレッタルムーセンの独特の形状に前から興味があったのだとか。
僕もフレームパック ワンはずっと興味があったので交換して歩くことに。
夏目さんは「こうやって支えてるのか。ここで荷重を分散して…」とかなり細かくチェック。
フレームパック ワンを背負った僕はそのままスキップしたくなるほどの軽さを体感。
足が本当に楽。さっきまで地面にズッシリと埋まっていた足は、先へ先へ進みます。
そしてこの背負い心地。まるで初めてニューバランスを履いた時のような柔らかさ。
あえて冷静な見方をすれば荷物が8kgと軽いことも要因として大きいのだとは思います。
でもそれを差し引いても、このザックの背負い心地は良いと思いました。
山と道のサイトでも「5kg~8kg程がベストなパックウェイトだと思います」とあるので
万人にオススメできるザックではないですが、僕はかなり感動しました。
今年の受注は終了してしまったようなので、来年は…お金を貯めて買ってしまおうかな!?
前をいくゆみこさん、ひょうひょうと散歩するかのように歩いています。
あぁ…もう終わりか。と心の底から思いました。
しばしの休憩後、出発です。数十分ぶりに僕のザックを背負うとズッシリ!
足が地面に埋まる〜し、足の裏が痛い〜とすぐに思いました(笑)。
ミズバショウの季節は終わっていますが、小さなかわいい花はいたるところに咲いています。
これは小さな蓮の花?妻が可愛い、を連発していました。
ここ最近のゲリラ雨なのか、尾瀬はこういう雨の降り方をするのかわかりませんが、
とにかくこの写真の5分後にはザーッという本降りの雨になりました。
すぐにレインシャドーを着込んで山ノ鼻を目指します。
前をいくゆみこさんはサッと傘を出して広げ、夏目さんはそのままスタスタ歩いていきます。
な、なんてシンプルでスッキリしているのでしょう!
U.L. HIKEの良さって軽さだけではなくシンプルになる、ってことなんだなぁ。
なんとカツカレーがあったので迷わず注文。とても美味しかったです。
雨は通り雨かと思いましたが、意外とやまない気配が濃厚なのでレインパンツもはくことに。
もちろん、夏目さん夫妻ははきません。ええなぁ…。
というか、傘を持ってこれば良かったのだ!すっかり晴れると信じて疑わなかったですよ。
その後小屋を出て鳩待峠を目指すのですが雨のために写真はありません。
ゆみこさんを先頭に、ただもくもくと木道を歩きます。
僕らは車なので良いですが夏目さん達はバスで鎌倉まで戻るので、
ゆっくり歩いていてはバスの時間が危ういのです。
高低差の少ない木道なのでとにかく早歩きぐらいのペースで進みます。
ゆみこさんが「着きましたよ!」と振り返ります。
本当にギリギリでバスがあるかどうか、というラインとのことでバタバタとお別れ。
僕らも心配しつつ乗合タクシーで戸倉の駐車場に戻りました。
その後、夏目さんからメールで無事に乗れたとの報告が。
僕らはなぜかグルグルと温泉を探してやっと見つけた望郷の湯で汗を流して帰りました。
今回の山行、いろいろと面白かったです。
村上さんとも初めてでしたし、夏目さん夫妻のU.L.スタイル、勉強になりました。
百聞は一見にしかず、とはまさにこのことでしてU.L. HIKEにすっかり興味津々になり
さっそくフロアレスシェルターなどを調べています。
あと、両足をブヨに60ヶ所ほど刺されたのが本当に泣けてきます。
湿原など水が豊富にある登山道では虫対策を本気でしないといけない、と学びました。
※今回、すごい長い日記になってしまいました…。
by yama-oson
| 2011-08-07 20:50
| 山行 (尾瀬・日光)