富士山 吉田口(2日目)
2009年 08月 22日
初日、初めての3,000m級の標高にクラクラしながら辿り着いた山小屋。
追い打ちをかけるように嵐が近づいているとのこと…。
僕はあまりに眠れずに寝る努力を止めて広間で座っておりました。
多くの人がご来光を見るために0時くらいに起床してくるため、
0時近くになった天気予報の掲示板の回りは慌ただしくなっていました。
掲示板には「◯◯ツアーの方、登頂中止です」などという言葉が並びます。
23:30頃には妻も起きてきた(妻も熟睡はできなかったそう)ので、今後を相談。
その間にも小屋の前を頂上へ向けて歩いていく人も、いるにはいるのです。
「まぁ…絶対無理でないなら挑戦しようか!」ということになりました。
そうと決まれば、雨具を着込んだり準備をします。
【登山ルート】
1日目:吉田口五合目 → 白雲荘(手違いで変更) → 太子館(小屋泊)
2日目:太子館 → 富士山 → 吉田口五合目
小屋の前とみんなのヘッドランプだけが明るく光っていて、意外とワイワイとしています。
(ピンボケ写真しかありませんでした)
ここからは、もうただただ歩くのみです。他にすることはありません。
雨は強く降ってるわけではないのですが、風がけっこう強いです。
ヘッドランプで足元を照らしてトレッキングポールを突きながら、ゆっくり登ります。
たまに顔を上げるとヘッドランプが一列に連なり大渋滞。
「これが富士山名物(?)の大渋滞か…」とげんなりしますが、でも実際のところ
空気が薄くて元気に歩くこともできないので、ちょうど良いのかもしれません。
手ブレ補正のないGRⅡは、こんな暗いところではブレブレの写真しか撮れません(笑)。
とにかく人は多くて、「お祭りみたいなだな」って感じました。
ほとんど寝ていなくても山小屋で数時間過ごしたのが効いているのか
ゆっくりと呼吸をしていれば特に問題なく動けます。
振り返ると分厚い雲の向こうに太陽が登りだしてるじゃないですか!
頂上に着くまでに太陽が顔をのぞかせたのは、この時ぐらいでした。
太陽が雲に隠れるとまた寒くなってきます。そう、風もあってけっこうな寒さなのです。
ご来光に20分ほど間に合わなかったということですね。残念。
でもモヤがかかってるせいもあるのか、何か"特別な場所"のように感じました。
苦労をした末に辿りつくことができる場所、そんな印象ですね。
かなり寒いので、山小屋の1つ山口屋に駆けこんでラーメンを注文します。
確か800円くらい。あっという間に出てきたラーメンは確実にインスタント。
もっと言えば"サッポロ一番"じゃないかな。それにちょろっと具が入ってます。
それが本当に美味しかったです。暖まるし、塩気が体に染み渡る感じ。
少し寝たいな〜と思いましたが、隣で寝ている人が店に人に注意されていたので
そそくさと小屋をでます。座ってると眠くなるので。
頂上へたどり着いてもなお体力に余裕がある方は、富士山の火口を1週できるのです。
時間としては90分…体力に余裕がある方…余裕…ま、いっか。止めることにしました(笑)。
日本で一番高い場所で受ける太陽の日差しは強烈!
上にも下にも目線にも雲があって太陽に照らされてるなんて、初めて見る光景です。
いやぁ、美しい!これが見たかったのです。最後に見れてラッキー!
6:20、僕らは下山を開始します。
しかし…めちゃ晴れてきましたね。下山も雨、よりは遥かにいいけど…残念!
やけくそな感じで延々とジグザグと下るのみ。山小屋も何もなく、ただ延々と。
しかも下山は3時間ほどで下りれるとはいえ、トイレは1箇所だけなのです。
もちろんそのトイレは意味を成さないくらいの行列。
そんな下山道なので面白みもなく、僕ら夫婦は脇目もふらずに一気に下山していきます。
標高も下がってすっかり暖かくなってきたので上着は脱いでいます。
10:10、無事に下山!お疲れ様でした!
僕らはツアーなので帰りのバスまで時間があり、またレストランで腹ごしらえ&仮眠。
バスが来たので乗り込みセットでついている温泉へ。とても気持ち良かったです。
初めての登山が富士山。なんせ初めてなので比較するものがありません。
どちらかというと"酸素が薄くて辛い"という記憶が強く残ったような。
でも"山に登ってクタクタになって温泉に浸かってあとは寝るだけ〜"っていう
心地の良い疲労感は、「なんかいいかもしれないな」とぼんやり思いました。
by yama-oson
| 2009-08-22 20:17
| 山行 (富士山)