2014年9月20〜23日、北アルプスを縦走してきました。七倉ダム〜烏帽子〜三股〜黒部五郎〜双六〜槍ヶ岳〜新穂高温泉というコース。初日は午前中にテン場に着きましたが2日目はガッツリ歩きますよ。
【登山ルート】
1日目:七倉ダム → 高瀬ダム → 烏帽子小屋(設営) → 前烏帽子岳 → 烏帽子小屋
2日目:烏帽子小屋 → 野口五郎岳 → 水晶小屋 → 三股山荘 → 黒部五郎小舎(設営)
3日目:黒部五郎小舎 → 三俣蓮華岳 → 双六小屋 → 西鎌尾根 → 槍ヶ岳山荘(設営)
4日目:槍ヶ岳山荘 → 槍平小屋 → 白出沢出合 → 新穂高温泉
前日に5:00発を約束していたので3:30起床。まだ暗い5:00に出て日の出(この季節はだいたい5:30)を見ながら歩こう、という考え。起き抜けにトイレに行くと星がとてもとても綺麗でした。温度計を見ると-3℃。う〜ん、想定より少し下がったかな。
寝床のスペックは、
山と道 U.L.Pad15s+にナンガ300SPDX、スマートウールの上に
OR OR Transcendent Sweater、ME ダウンパンツ。それでほんの少〜しだけ寒い程度。寝袋の口をギュッと閉めたら暖かったです。
それより驚いたのがテントに付着した霜の量!ビッシリ。そしてインナーテントも簡単に拭ける程度ですが結露していました。おかげでこの日テン場に到着してテントを広げた時はグッチョリでした。池のほとりに張ったのも影響が大きそうです。JMTの時も感じたのですが池とか水分が多いところはより冷える気がします。
ともあれ僕は前日に買っておいたパンとコーヒーで朝食を摂ってしまいます。タケミチさんの奥さんもテントの中でヘッデンが光ってますが、タケミチさんは無音。寝ているようです。朝は歩きながら食べるんでしょうね。朝食を食べてテントの撤収をしているとタケミチさんが起きた様子。そしてサクッと撤収してサクッと準備完了。早い!
5:00、出発!まだ太陽が登っていないのでさすがに寒いですね。スマートウールの上に
Minimus Smockを着て歩きだしました。5時を過ぎると地球の向こう側では太陽が昇っているらしく徐々に空が明るくなってきます。ヘッデンもいるようないらないような。
5:50、昇ってきました。
すべてが赤く染まり、その中を歩きます。なんとも…言葉にならない瞬間。そしてこの瞬間は本当に短く、せいぜい10分程度。気温はそこそこ低くても風がないのでジッと立ち止まり朝焼けを見ていたい気分に。みんなで何枚も写真を撮りました。
美しい朝焼けの時間が終わると太陽がガンガン照りつけてきます。9月中旬だし寒いのは嫌でロングパンツを履いてきましたがさすがに暑い!ハーフパンツで歩くタケミチさんが正解。ハーフパンツでこれば良かったかな。このあたりの野口五郎岳近辺のトレイルはアップダウンも少なく極上登山道でした。
7:30、野口五郎小屋。昔はテン場とかあったのでしょうか?けっこうテント張れそうな場所が周りにありました。
黒部五郎岳。手前の巻き道との分岐で「どうする?」という話になました。タケミチさん夫婦も普段は「巻けるところは巻く」スタンスらしいですが一緒にいた僕に合わせ登ってくれました(笑)。あっという間に登れましたしね。登ってみれば、なんという素晴らしい景色!天気も最高なので見渡す限りの山々がバッチリ見えます。霞んだりなんかしません。
景色を堪能した後は真砂分岐を経由して水晶小屋を目指します。それまでのなだらかな登山道とは打って変わって、けっこう岩岩したハード目な登山道に。このあたりはなかなか体力を消耗しましたね〜。
前から登山者が来たので脇に避けたのですが、その登山者を見て「あっ!」と気付きました。昨日追いぬかれたU.L.ハイカーです。「昨日お会いしましたね!」と挨拶。向こうの方も覚えてくれていて少し立ち話をしました。なんでもこの土日を使って高瀬ダム→雲ノ平のピストンをしたそうな…。CTで13〜14時間くらいのルートですよ…なんて健脚なのでしょう。その方は風のように高瀬ダムのほうへ去っていきました。
水晶小屋が見えてきました。が、「見えてからが長い」の典型的パターン。
このあたりが一番息が上がってたなぁ…。さすがのタケミチさん夫婦も疲れている感じ。
10:00、水晶小屋に着。みんなお腹が減っていたので食事があれば食べようか?なんて話していましたが、さすがにこの時間では何もやっていませんでした。少しだけ長めの休憩をとったら先を進み三股山荘でお昼にすることに。なぜか写真は撮り忘れたのですがここからの景色も最高っ!でした。
ここで僕は決断をしなければなりません。当初の予定ではこの先の岩苔乗越で黒部五郎へ向かうタケミチさん夫婦と別れて一人雲ノ平へ向かう予定でした。もしも黒部五郎へ向かうと双六小屋へ向かう3日目の行動時間が3時間ほどになるので(笑)。さすがに3時間は歩き足りないよなぁ、どうしたもんかな〜と悩んでいると「西鎌尾根を通って槍ヶ岳のほうに行ったらいいんじゃない?」とタケミチさん。「えっ?確かに槍ヶ岳から新穂高温泉に向かう道もありますね」と光が見えてきました。ちょっと心配なのでは西"鎌尾根"。"鎌尾根"って響きが「素人は入るな」という印象。でも地図を見ても(危険)マークはないし…まぁ、大丈夫でしょう!と決定。
ということで2日目の目的地は黒部五郎小舎に変更し、出発。隣に水晶岳がありましたが「巻けるところは巻く」の精神でスルー。
岩苔乗越。ここからは鷲羽岳へ登るルートと黒部源流まで下がるルートがあるのですが「巻けるところは巻く」の精神で下がるほうを選択(笑)。こんな晴天なので少し登りたいなぁ〜という気もしましたが、このあたりの山域はまた来ると思うのでその時までとっておきます。
この源流まで下るルートはなかなか地味なルートでした(笑)。しかも一度下がりきってから三股山荘まで登るので精神的にジワジワきます。みんなお腹ペコペコで歩きました。山荘に着いたらドカ食いするんだ!
12:00、三股山荘に着。食堂に飛び込みます。
オムライスも気になったのですが売り切れだったのでラーメンとライス!僕は街でもこういうセットが好きですが山でライスのみで注文できるってあまり知りません。とにかく嬉しい!炭水化物祭り。思わずガッつきました。美味い。
食堂からは槍ヶ岳が見えます。なんて贅沢な景色。しかも…明日は僕はあれに登っているかもしれない。そう思うと感慨深いものがありました。
お昼を食べたら、いよいよ黒部五郎小舎に向かいますよ!お腹がいっぱいすぎて横っ腹が痛くなりそうなほど(笑)。出発してしばらくしたところで三股山荘を振り返ると鷲羽岳と共に確認できました。しかし鷲羽岳、デカイなぁ…あれを小屋に向けて下るというのはヘヴィーだなぁ。
もちろん三俣蓮華岳は登らず巻き道を行きます。なかなか気持ち良い登山道です。
お!やっと黒部五郎小舎が見えてきました。このあたりまでくるとさすがに体力も無くなってきてたのでそろそろ早く着きたいな〜という気分。
14:10、黒部五郎小舎に着。CT10時間のところをお昼や休憩を入れて9時間で着きました。さすがにいい具合に疲れが溜まっています。よく眠れそう。
一応平日前の日曜日なのでテン場は14時でもガラガラ。最終的には3〜4割埋まったものの選びたい放題でしたが、ちょっと風があったのでどこに張るといいのか迷いましたね。ガンガンに晴れているので今朝結露で濡れた寝袋などを天日干しします。
その間に小屋でCCレモンとゼリー(珍しくない?)を買ってブレイク。のんびりとした時間を過ごしました。
17:30、"できる限り小屋食を活用する"スタイルのタケミチさん夫婦は小屋へ食事に出かけましたが食料を減らしたい僕はテン場で自炊。この日は生パスタを使ったたらこクリームパスタとスープ。生パスタって重いけどその分食べると胃にズッシリくる感じで山では最高。
昨日も食べてたんですけど、今回毎晩1本の計算で3本持ってきた魚肉ソーセージ。これも重いんだけど「生ものを食べてる」という感じがして非常に美味しいのです。
ご飯を食べたら一気に眠くなってきました。タケミチさん達も戻ってきたので昨日と同様5:00発の約束をして就寝。確か、19時にもならないくらいの時間に寝たと記憶しております。