2013年7月27〜28日、北岳に登ってきました。前から「いつか絶対に登るでしょ」と伸ばし伸ばしになっていた北岳。実際に登ってみるとなかなか手ごわい山でありました。さすが日本で2番目に高い山。
山登りをはじめたばかりの頃から、その名前は知っていた北岳。日本では富士山に次ぐ2番目に高い山であるにもかかわらず、世間一般的にはそれほど名を知られていないのは、どうみても地味な名前のせいでしょう。例えば、竜王山とか不死鳥山とか派手な名前がついていたら絶対に違ったはず。
ずっと「登りたいなぁ」と思っていたのに登らなかったのは、「登りたい…けど、なんか地味そうだよね」という漠然としたイメージがあったから。ところが今回、友人のアウトドアライター、蔵王(アダ名・女性)を中心として「北岳行かない?」と山の知り合い数名に声がかかることになり、"みんなで登る"という理由ができたので北岳を目指すことになりました。ただ、なかなか皆さん都合が合わず、最終的に集まったメンバーは僕と妻とY君とN君(ここまではJMTへ行ったメンバー)と蔵王。って、ほとんどいつものメンバーですね(笑)。
【登山ルート】
1日目:広河原 → 白根御池小屋 → 草すべり → 肩ノ小屋(テント設営)
2日目:肩ノ小屋 → 北岳 → 肩ノ小屋(撤収) → きた道を戻る → 広河原
今回参加するメンバーは比較的みんな近くに住んでるのでいつものようにそれぞれをピックアップしてから中央道に乗って芦安を目指しました。今回の初日の行動時間は6時間半ほど。逆算するといつもよりも早めに東京を出たいところ。なので朝4時頃からみんなをピックアップいくこととなり、ほとんどのメンバーがあまり寝ていない状態でした(笑)。妻にいたってはまったく寝ていない状況で、それは後に影響がでてくるのでした。
芦安駐車場に着いたのは7:30頃。さすがにこの時間だと第五駐車場しか空いてませんでした。でもバス発着所から遠い第五駐車場ですが、乗り合いタクシーが常にお客を待っている状態なので、まったく待ち時間なく広河原へ向けて出発できました。一人1,100円。睡眠不足の僕らは約1時間ほどの車内で少しでも仮眠をとろうと考えましたがタクシーのおじさんが定期的に車を停めて「ここは天皇陛下が…」とガイドを始めるのでその度に目を覚ますことになり眠れませんでした(笑)。
そして、広河原に着いたのは8:30頃。
天気予報ではまぁまぁの天気でしたが、しっかりと晴れて良い感じ!こんなにスッキリと天気が良いのもなんだか久しぶりだなぁ〜と嬉しくなります。
しょっぱなから、なかなかの急登が続き、さすが南アルプス!という感じ(笑)。
気温的にはまさに"程よい"気温!暑すぎるということはなく、寒くもなく。この気温にずいぶんと助けられた気がします。しかし、今回の妻は睡眠不足が影響したのか体調が悪そうです(この時はまだ笑顔だけど)。
11:00、白根御池小屋に到着。とても綺麗な小屋でした。もうけっこういい時間なのでお昼ごはんを食べてしまうことに。
僕が注文したのはカレー。マイルドな感じですごく美味しかったです。
1時間ほど休憩したのち、いよいよ本格的な登りに…!今までもそこそこ急登だったのですが、ここから先はさらにそれ以上らしい…。まずは"草すべり"ゾーン。無茶苦茶急です(笑)。このルート上では一番急だったかも?
草すべりを抜けると森林限界になって開けてきました。写真、下の方に妻が写っています。かなり辛そうだったので「一緒に歩くよ」と提案したのですが「いいから先にいって」というので、半々で持っていたテントを受け取り僕らは先に行ってテントを張ることに。妻にはゆっくりと登ってもらいます。
時折、青空がのぞきますが基本的には曇っているので直射日光もなくて助かります。
14:30、肩ノ小屋に到着。さすがにテン場は8割近くが埋まっている状況。このテン場は基本的に稜線にありますが、僕らは稜線の頂点に張るしかないようです。しかし、今日は風もあまりなく、簡単にテントが設営できるほどなので大丈夫でしょう。奥に座っているY君は北岳の急登っぷりにヤラれ、テントも張らずに放心状態(笑)。
蔵王はオレンジのエアライズ。N君はいつものルナソロ。僕はハバハバを張り終えると妻を迎えに行きました。意外とすぐ近くにまで来ていて、合流して一安心でした。とりあえずすぐにテントに入ってもらって寝てもらうことに。各々、睡眠不足解消の為に、夕飯まで少し仮眠します。
夕方近くになってくると徐々にガスが濃くなってき、風が出てきました。ガスは写真ぐらいのままでしたが、風は徐々に勢いを増してかなりの強風に。僕らの経験上一番の強風だったと思います。しばらくすれば止むと思ったのですが実際には一晩中強い風が吹いており、風を受け流す構造のハバハバは盛大に歪んでます(笑)。しまいには少しですが雨が降ってきました。
隣のN君にテントの中から「風がすごいし雨も降ってきたので、今日は各々晩御飯にしよう」と声をかけると「そうしよう!」との返事が。さらに隣の蔵王にも伝えてくれた様子。しかし、Y君にいくら声をかけても返事はないとのこと。爆睡中なんですね(笑)。
で僕の晩御飯がこれ。さんまの蒲焼丼。そういう商品が近所で売ってたのです。「ウマそう!」と買ったのですが、食べてみると……標高3,000mのテント内で食べるものじゃないかな(笑)。なんか魚の生臭さが、疲れた体に合っていない。これなら角煮丼とかのほうが絶対に食が進む気がします。体調の悪い妻にもなんとか食事(さんま丼じゃない)を食べてもらいました。食べないとエネルギーにならないですからね。あ、あと、アルファ米を戻す間に食べた魚肉ソーセージが異様に美味かったことをここに記しておきます。"生"感があるというか。次回からテン泊ご飯の定番に入りそうです。
食事が終わって19時頃にもなると雨は止んでいましたが風は依然として強いです。明日は朝4時に起き、風や雨の様子をみて5時にはテン場を出て北岳を目指すことに。テント越しにみんなに「おやすみ!」と声をかけて寝ました(Y君は相変わらず返事無し)。
しかし、N君のルナソロとY君のスカイスケイプトレッカーが気になる…。こんな強風の中、大丈夫だろうか?飛ばされるということはないだろうけど、風がビュービュー吹き込んで寒くないかな?と心配しつつも、眠りについたのでした。