2012年12月24〜25日、安達太良山にスノーシューハイクに行ってきました。クリスマスど真ん中ですが、怒涛の勢いで働いてきた12月はあまり山に行けてなかったので購入したてのスノーシューを携えて東北まで行ってきました。
スノーシュー、前から「欲しいなぁ〜」とは思っていたんです。なんか楽しそうで。でもいかんせん高い。きっとそれほど頻繁に使うこともないだろうし…。と毎度購入欲が湧いては消えて、湧いては消えて…の繰り返しでした。
それが変わったのは
ジャッキーさんの「スノーシューの登板能力は凄い!」という一言。なんでも冬山に登りに行った時に、スノーシューが大活躍だったというのです。スノーシューハイクの可能性を感じた僕は妻と相談して今までずっと買わずじまいだったスノーシューを購入することに。で、買ったからにはすぐに使いたいですよね。偶然休みが取れた妻と、祝日と平日を絡めた1泊2日でスノーシューハイクに行くことに。しかし、うちの妻は非常に寒がり。「テント泊は無理!」というので小屋泊です。混雑した山小屋は大嫌いな僕ですが、平日を絡めた宿泊なら空いてるのでは?と思い、久しぶりの小屋泊になったのでした。
【登山ルート】
1日目:スキー場駐車場 → 勢至平 → 分岐 → くろがね小屋(小屋泊)
2日目:くろがね小屋 → 峰の辻 → 頂上付近 → 峰の辻 → 分岐 → 勢至平 → スキー場駐車場
9:30、あだたら高原スキー場に到着。ちょっと遅めですが、今日の行程は小屋までで3時間程度の予定。かなりのんびり行っても夕方前には小屋に到着するでしょう。
実は安達太良山へ行くのが決定するまでのうちの車はノーマルタイヤ。ふだんは冬前にスタッドレスタイヤに履き替えるのですが今回はまだでした。なので「今後も使えるよね」という言い訳をして?前日にオートバックスにかけこみチェーンを買ってきたのでした。
お昼を買い忘れたので(コンビニがほとんど無く…)スキー場の売店でじゃがりこを買ったりトイレ行ったり靴を履いたり…と準備していたらかなりいい時間。10:25、スキー場脇のボックスで登山者カードを提出して出発です。
登山口…ちょっとわかりづいですね。一応看板でもルートをチェック。今回の装備を自分用のメモも兼ねてここに記しておきます。
頭Badland Cap / ノースフェイス
上半身 (内側から)
フラッドラッシュスキンメッシュロング / ファイントラック
ミッドウェイトクルー / スマートウール
ラディアントハイブリットフーディー / アウトドアリサーチ
アクソンプロゴアテックスジャケット / ミレー
下半身 (内側から)
スーパーメリノウールEXP.タイツ / モンベル
パラドックスパンツ / ゴーライト
足元PhD ミディアムクルー / スマートウール
MO1099 / ニューバランス
ラトックミッドゲイター / ラブ
手袋(内側から)
パミールウィンドストッパーグローブ / ノースフェイス
TUFF BAG / テラノバ
この日の気温は-3〜0℃あたりをウロウロとといった感じで風はあまりなくただ、雪がチラついていてそれが大変でした。感想としては、それぐらいの気温ではまったく問題ないどころか非常に快適なレイアリングだったと思います。
今回は冬山対策として色んなニューアイテムを試しているのですが、まず、
パラドックスパンツ。リンク先でランブラーさんが紹介されているので詳しい説明はそこで読んでもらうとして、すごい効いてるストレッチとバッチリ雪を弾いてくれる防水加工が非常に雪山に合っている感じでした。難を言えば、ウエストに紐は通っておらずゴムだけなのでハイキング中に少しづつずり下がってくることでしょうか…。このパンツ、現在は廃盤で僕は去年ヤフオクで購入しました。
あと!去年の
北横岳で足が寒かったことから導入したニューバランスの
MO1099。これは履きおろしだったので最初は少し足(くるぶし)が痛くなりましたが少なくとも保温性などは問題なく、足の冷えは感じませんでした。とはいえ北横岳の時は-15℃。今回は-3℃。あまり比較にならないので今後も様子をみてみたいと思います。ニューバランスといえば、わたくしアウトドアシューズのリーフレットにて挿絵を描かせていただいております。
コチラでデジタル版が見れますよ。
あまり良くなかったのが
TUFF BAG。防水性、透湿性、携帯性は少なくとも今回は何の問題もないレベルでしたがミトンなので操作性が非常に低かったです。なのでこの商品のせいではなくミトンが僕に合っていないのだと思います。僕はこまめに写真を撮るのですがそのたびにミトンを脱がないといけなく、雪が降っているとその時に中のフリース手袋が濡れてしまうのです。たった3時間の行程なのに途中から中の手袋が冷たくなってしまいました。
歩き出して少しすると雪で滑るようになってきたのでマイクロスパイクを装着。本当はスノーシューを早く装着したい(背負ってるの重いし)のですが積雪がそれほどではないのでしばし我慢です。ちなみに、妻も同じモデルのレディース、
WO1099を履いています。
スキー場からの登山道はしばらく2ルート選べます。旧道と馬車道。旧道は一般的な登山道の感じで、馬車道はその名の通り馬車が通るような(実際に通ってたんですかね?)広くてなだらかな道です。
僕らはのんびり歩くのを目的としていたので馬車道を選択。途中、スキーでサ〜っと下りてくる人とすれ違ったり。すごく気持ちよさそうでした。でも…雪の無い季節に歩くのはちょっと退屈すぎるかも…?ってほどなだらかですが、言っても奥多摩の九十九折の登山道に比べれば道は広いし気持ち良いものです(笑)。
1時間ほど歩いたところで(積雪は少ないけど)、たまらなくなってスノーシューを装着!僕は
EVOツアーを購入しました。色味が綺麗ですよね。
妻は
LIGHTNING AXIS22 W's。正直、僕もこれが良かったのですが(軽いしスノーシューの幅が小さくて歩きやすい)、一緒のものを買ってもなんだか面白みに欠けるのであえて違うものを購入したのでした。
しかし、初スノーシューは超楽しい!バフッバフッと雪が深いところも歩けちゃうのが、なんだか特殊能力を得たみたいな(笑)。この日は翌日が平日だからか?あまり人もいないのでトレースも薄く雪も降っているのでサラサラのパウダースノーの上を歩けるので、かなり気持ち良いのです。トレースがないと道に迷いそう…?と最初僕は思ったのですが、道は非常に明瞭なので初心者でも歩きやすかったです。
12:40、あまりの楽しさにアッというまに勢至平。
勢至平から15分も歩くと、くろがね小屋へ向かう真っ直ぐな道と、安達太良山方面へ直接向かう道の分岐に出ました。そしてちょっとだけ雪が強く振るようになってきましたですよ。
分岐から30分もいくと、くろがね小屋が見えてきました!オー、オアシス!
オー、オアシス!オー、ポカホンタス!13:30、スノーシューハイクはあっという間に終わってしまって、ちょっと物足りない。もっと歩きたい…ですが、まぁ、何事もこれぐらいが丁度良いのでしょうか。
小屋の中に入るとダルマストーブが力強く燃えておりました。暖かい…。
お昼用にじゃがりこを買ってはありましたが雪の中それを食べる気にはなれず、結局小屋での受付後にカップヌードルを買って食べました。話を聞くと今夜の宿泊者は僕らを含めて6人だそうな。登山口で一緒になり、軽く挨拶をしたご年配の4人組と僕らです。う、嬉しい〜!ギュウギュウになって寝なくていいのです。平日バンザイ!
手前に手すりがあって分かりづらいですが、一応この半個室の4人部屋を2人で使います。布団は4つですが混んでいる時は6人、8人で使う部屋でしょうから広いです。遅めの昼ごはんを食べた後は小屋にあった雑誌やマンガを読みつつダラダラ。ひと通りダラダラしたので、さ、アレに行こうか!ということに。アレとは……
そう、温泉です。僕以外に誰もいなかったので撮影してみました。バッチリ脳天に効く硫黄臭が充満する天然温泉です!湯の花がふわりふわりと漂う乳白色で見るからに効能がありそう。普段、僕は温泉にあまり興味はありませんが、さすがに雪の中を歩いてきた体に硫黄臭バキバキの乳白色温泉はじんわりと染み渡ります。温度も丁度良いです。思わず「う〜〜〜」という声が出てしまいます。…最高。
お風呂から上がってしばらくすると夕食の時間。くろがね小屋カレーです。普通に喫茶店とかで出てくるいい感じのカレーみたいでとても美味しかったです。一応、クリスマスってことでワインを買って、妻がホットワインにしてくれました。
一緒に泊まっているおじさま達は「クリスマスのカップルの邪魔はできん」とばかりに僕ら夫婦にあまり話しかけないよう遠慮をしていただいている感じがありましたが(笑)、おつまみの差し入れをいただいたり、逆にこちらはお菓子のお返しをしたりしつつ、翌日の天気の予報を小屋の方に聞いたりして、のんびりした夕食になりました。
くろがね小屋のご主人も最近働きだしたという男性スタッフさんもどちらもとても優しく、くろがね小屋のファンが多いのもうなづけます。ご覧のように(吹き抜けから撮影)小屋の作りもかなり開放的で気持ち良いです。山小屋は苦手な僕ですが「また来たいな」なんて思ったのでした。山小屋、混んでさえいなければ暖かいし、食事はでるし、荷物も軽くなるし…最高です。
明日向かう安達太良山の天気を気にしつつもホットワインのおかげで眠気が襲ってきて、消灯前にあっという間に眠りに落ちたのでした。