雲取山3
2012年 01月 07日
今回は妻が「寒いからテント泊はパス」というので久しぶりのソロです。
「雲取山はしばらくいいよ!」という声が聞こえてきそうですが、
僕は最近確信しました。雲取山が大好きです。
ゴツゴツした岩場もなく歩きやすいし、石尾根の景色は最高だし、アクセスも手軽だし。
丹沢も好きなのですがテント泊できないのが致命的。なんとかしてほしいです。
とはいえ、毎度完全に同じ装備・同じルートではさすがに面白みに欠けるので
今回はフィルムカメラ(FUJIFILM NATURA / SUPERIA PREMIUM 400)を携帯し、
帰りのルートは破線ルートのヨモギ尾根を通るのを目標にしてみました(結果失敗)。
自分の中では年末に買ったウェスタンマウンテニアリングのアンテロープMFを
なんとか使ってみたかったというのと、真冬の季節にテント泊したことないので
どんなものなのか経験してみたいというのもありました。
フィルムの現像は出しに行くが面倒なのと、同時プリントは必要ない(嵩張る)ので
トイラボというネット上の現像屋さんにお願いしました。フィルムを郵送するだけです。
2〜3日でスキャンしたJPG画像をダウンロードできるURLが
送られてきますのであとはダウンロードするだけ。
今回載せている写真はサイズを変えただけで色はいじっていません。
便利〜!これならフィルムカメラでも気軽に試せるかもしれませんね。
【登山ルート】
1日目:鴨沢駐車場 → 堂所 → 七ツ石小屋分岐 → 奥多摩小屋(テント設営)
2日目:奥多摩小屋(テント撤収) → 七ツ石小屋分岐 → 堂所 → 鴨沢駐車場
3回目ながら小袖までのショートカットコースを歩くのは初めて。
初めて登った時はショートカットコースの存在に全然気づきませんでした…。
歩いている時はフラッドラッシュスキン+スマートウール・ミッド+
化繊Tで丁度良い感じです。
今にして思えば設定が"望遠"になっていたような…。
デジカメならバシバシ撮影→確認→取り直しができますが、
フィルムはそこそこ経験を積まないとわからないですね、こういう感じが。
今回は念のためにプラティパス+山専ボトルで2.5L、担ぎあげました。
その水と冬用寝袋1kgなどを合わせて合計約10kgほど。
山道ザックの推奨重量が11kg以下なのでギリギリですね。
ULザックでありながら、いろんな場所を調節できるのですごく使いやすいです。
やはり一番便利なのは不透明で大きなポケットでしょうか。ガシガシ入れられます。
唯一の心残りは、これを背負った自分の姿を見ることができなかった事でしょうか(笑)。
このあたりが一番雪が残っていました。それでもこの程度なのでアイゼンは不要。
足を出す度にシューズやパンツの裾が真っ白になるほど砂埃が舞いましたが、
やっぱり最高です!たまりません!
ゆっくりと時間をかけて登ってきたので丁度よい時間でした。
尾根の富士山側に張ることも考えたのですが良さげな場所は埋まっていたので林側に設営。
一見普段の地面と変わらないのですが、とっても固かったです。
日差しが暖かく、テントの中にいるとぽかぽかして眠いので少し昼寝をしました。
injinjiの5本指ソックスをベースに、
右はスマートウールのミッドウェイトを追加した2枚履き。
左はOTAFUKU ホットエース・インナーソックスという透湿性ゼロのソックスを追加。
正確には透湿性ゼロではなく、指先あたりに蒸気が逃げる穴が数個空いています。
VBLは蒸気を逃しては元も子もないので、ちょっと気になるところです。
結果。登っている間は左のVBLのほうが若干暖かかったです。ただ"のびのび"と謳っていても
そう伸びるものではないので、登山ぐらい靴の内部が過酷な状況だと窮屈になってきます。
途中から「指先が苦しいな〜ちょっと気になるな〜」と思いながら歩いてました。
ただ、テントに潜り込んで行動を止めてからは徐々に蒸気が抜けていったせいか、
試しにホットエースを脱いでしまったからか(おそらくこちらの理由が大きい)、
ウール靴下2枚履きのほうが確実に暖かくなってきました。
ホットエースを試しに脱ぐとモフッっと足から湯気が立ち昇るほど内部はムレておりました。
その後は、汗が冷えて冷たくなってくるのを感じました。
なのでホットエースは脱いでしまって、その後は2枚履きで通しました。
今回の実験でわかったことは、"VBLは湿度100%が前提なので途中で脱ぐのは良くないよ"
ということ。実験が中途半端になってしまったのです。
ちょっと面倒な実験ですが、機会があれば継続していきたいです。
(今のところ、足元に関しては無難に靴下2枚履きが良さそうに思います)
ここの水場も枯れることがあるのでしょうか?
もうちょっと暖かければゆっくりと外で眺めるのですが、
この時間になると-5℃くらいにまで気温が下がってきて、なかなかの寒さです。
17:00にはテントに戻っていつものアルファ米とカレーにチーズを投入して晩飯としました。
それを食べてしまうとやることがなくなったので、
ウィスキーをチビチビやりながら本を読み19:00には就寝。
その後、23:50と3:30に起きましたがすぐに寝て4:30に本格的に起きました。
するとテントの外がけっこう明るい様子。
外をのぞいてみると月がとても明るく光っています。
ヘッデンもいらないほどなのでモソモソと這いでて外を散歩することに。
月明かりに照らされた尾根はとても幻想的で美しく思わず意味もなくうろつき、
ヘリポートの丸い枠を2〜3周回ってテントに戻って朝食を食べました。
プラティパスに入れておいた水は半分凍っていました。
夜中の気温は-10℃。アンテロープMFは-15℃が使用温度帯なのですが、ダウン上下を着て
寝たというのにちょっとだけ「寒いかな?」と思うことがありました。
床はタイベック+山と道 U.L.Pad15s+だったのでおそらく背中が寒かったのだと思います。
とはいえ、グッスリ寝ているので問題無いと言えば無いのですが、
山と道 U.L.Padの薄いやつとか、何か一枚追加すると快適性が上がりそうです。
最後のペグが硬かったので山専ボトルの熱湯をペグにかけて土の凍結を緩めて抜きました。
そしてクフタイベック、まったく結露していませんでした。
多少の結露は凍ってしまって気づかなかっただけでしょうか?
小雲取へ向かって歩き出すと徐々に明るくなってきました。
富士山のほうを見ると朝焼けに赤く染まっていて、これまた最高でした。
そういえば、朝焼けに染まる富士山って意外と見たことないことに気づきました。
雲取山荘からは富士山や日の出は見えないですからね。
7:10、小雲取へ登り絶景を堪能。地図を取り出して「ヨモギ尾根ってどこへ向かえば…」
と確認してみて、わービックリ!ヨモギ尾根への分岐は奥多摩小屋あたり。
小雲取のほうまで来る必要はなかったのです。そそくさと来た道を戻ります…。
(迷)のマークがあるので用心していましたが、いきなり案内板のない分岐が登場。
悩みましたが「方向的にこっちだろ」と進んだところで撮ったのが、この写真。
結果的にはこの段階で間違い(笑)。行けるところまで行こうと進みますが
(荒廃した道)とあるようにかなり荒れた道で倒木は多いし枝が道へガンガン飛び出ています。
僕の身1つなら問題ないレベルの枝でしたが、ザックやウエアへのダメージを考えると
引き返したほうが良さそう。「でも面倒臭いなぁ」と思って上を見ると尾根っぽいものが。
「あれは方角的に知ってる尾根に違いない!」と斜面を登ると、ビンゴ。石尾根でした。
地図で言うところの石尾根に並行して伸びる道に入っていたようです。
そして!下山後はお腹がペコペコ。「何でもいいから食べたいな〜」と
通り道にお店がないか確認しながら車を進めます。
どうも良さげなお店がないまま奥多摩駅あたりまで来てしまいました。
そこで「あ!」と思い出しました。奥多摩といえば「御食事 喫茶 こうらく」があります。
車を停めてお店を覗くと営業中だったので"肉天定食(780円)をごはん大盛(+120円)で
いただきました。下山後の胃というのもありますが、美味かったです!
かなり暖かい日だったとは言え、冬にテント泊できてとても楽しかったです。
冬はいろいろと制限があることが泊まってみてわかりました。
太陽が出ている時間も極端に短いし、気温も低いので何をするにも寒かったり。
当たり前といえば当たり前ですが、それを身をもって経験できたのが良かったです。
フィルムカメラ、1泊2日くらいなら楽しいので続けてみようと思いました。
枚数の制限があるので一球入魂な感じが新鮮で"良い思い出感"がアップする気がしました。
by yama-oson
| 2012-01-07 20:59
| 山行 (奥多摩・秩父)