人気ブログランキング | 話題のタグを見る

北横岳

北横岳_a0207672_16255223.jpg
2011年12月18日、北横岳に登ってきました。
登ったといってもロープウェイで標高2240mまで一気に登り、
そこから1時間ほどで2480mの横岳頂上なのでゆるゆるお散歩コース。
雪山デビューなのでちょっと緊張しながら歩いてきました。



前回登ったのが11月中旬に行った雲取山なので、約1ヶ月ぶりの山歩きです。
去年ぐらいから行ってみたいと思っていた雪の北八ヶ岳に行くことになりました。

行ってみたいとは思っていたもの、雪山というとネガティブなイメージばかり浮かびます。
雪山…遭難、吹雪、ホワイトアウト、凍傷…ビビリな僕は雪山は別次元と思っていましたが
積極的な妻が色々と情報収集をして「この時期の北八ヶ岳なら雪山装備でなくても行ける」
という結論を導き出し、行動時間なども考慮して北横岳に登ることになりました。

地図上のCTは山頂駅から北横岳の往復で約2時間!かなり短いです。
「もっと歩きたいな〜」と思いましたが、石橋を叩いて渡る性格の僕らは
雪山デビューはこれぐらいでいいだろうということで納得しました。
となると気持ちを切り替えて、僕は寒さの情報を得ることを一番の目的に設定。

【登山ルート】
山頂駅 → 坪庭 → 北横岳ヒュッテ → 北横岳 → 坪庭 → 縞枯山荘 → 山頂駅


北横岳_a0207672_16255469.jpg
9:40、ピラタス蓼科ロープウェイ乗り場に到着。灰色の雲がどっぶり覆いかぶさっています。


北横岳_a0207672_16255671.jpg
ロープウェイに乗って一気に雪山の世界へ。この日は日曜日だというのにガラガラでした。


北横岳_a0207672_1625596.jpg
ロープウェイを降りたところにあった温度計、-11℃。思ったよりも寒くなくて拍子抜け。
寒さの情報を得るには-15℃くらいまで下がってもらいたかったです。


北横岳_a0207672_1626121.jpg
10:40、雪山ハイキング開始。今回はあえてギリギリの暖かさでウエア調節してみました。


ポリエステル ビーニー
シャミース ヘッドバンド / モンベル

上半身 (内側から)
フラッドラッシュスキン ロング / ファイントラック
ジオライン MW / モンベル
ラディアントハイブリットフーディ / アウトドアリサーチ
アクソンプロゴアテックスジャケット / ミレー

下半身 (内側から)
ジオライン MW / モンベル
アルパインライトパンツ / ノースフェイス

足元
ファイブフィンガー コンフォートソックス / ノースフェイス
PhDアウトドアミディアムクルー / スマートウール
マウンテンマゾヒスト / モントレイル
ラトックミッドゲイター / ラブ
スノースパイク / スノーライン

その他
シャミース ネックゲーター / モンベル
パミールウィンドストッパーグローブ / ノースフェイス

以上です。
一応-15℃でギリギリいけるラインを目指してみました。

で、実際には-10℃でギリギリでした。それか丁度よいくらいかな?
停滞するとジッとしていられないくらい寒いのですが、
歩き出すと10分ほどで暑くもなく寒くもない状態になりました。
それはどうなのだろう?雪山は初めてなので基準がわかりません。
直感に従うとすれば、もう少し暖かい要素を足したい感じでした。
標高差も200mほどしかなく、距離も短いので体が暖まる暇がなかったので
もっと体を動かす状況であれば丁度よいかもしれません。


北横岳_a0207672_162635.jpg
僕が今回特に知りたかったのが、
マウンテンマゾヒストで雪山に行けるか?ということでした。
僕はガルモントのタワーGTXというそこそこガッシリした登山靴も持っているので
それを履くのが無難なのですが、実験ということでマウンテンマゾヒストを履いてきました。
ノースフェイスの5本指ソックスの上に、スマートウールのソックス2枚履きしましたが
-10℃でまさにギリギリな感じでした。

体の部分と同様に、歩いている時は指先まで血が通っている感じですが
停滞すると徐々に足が冷えてきます。
それでも10分程度止まったぐらいではなんともないのですが
30分以上止まっていると徐々に指先が冷たくなっていくのがわかりました。
ただ、耐えられないほどではありませんでした。

なので僕の場合は、もし-10〜-20℃クラスの雪山に行く時にはなんらかの工夫をするか
素直にガッシリ登山靴のガルモントで行くのが良いといえそうでした。
ガルモントで行くのは最後の手段に取っておいて、VBLで行けたらいいな〜と思案中。


北横岳_a0207672_1626589.jpg
妻は僕より少し暖かい格好をしています。
一番違うのは中にモンベルの薄いダウンジャケットを着ているところでしょうか。
なので上半身は暖かいはずなのですが、全体的に僕よりも寒がっていました。
"暑さ・寒さというのは個人差がある"とは聞きますが、すごく実感しました。


北横岳_a0207672_1626715.jpg
サクサクの浅い雪だったのでアイゼンは履かなくても歩けたような気がします。


北横岳_a0207672_16261233.jpg
10:30、北横岳への分岐点。


北横岳_a0207672_1626111.jpg
このように、登山道もかなり露出しており、すごくわかりやすかったです。
ごくたまにハラハラと粉雪が舞いましたが、この日は雪はほとんど降りませんでした。


北横岳_a0207672_16261436.jpg
11:40、北横岳ヒュッテに到着。下りでご飯は食べることにして、ここでは軽い休憩のみ。


北横岳_a0207672_16261949.jpg
11:50、着いた!と思ったら南峰でした。風が強い!


北横岳_a0207672_16262144.jpg
まだもうちょいあるのか〜と思っていると、北峰はすぐそこで見えるほどでした。
(奥に人がいるのが見えます)


北横岳_a0207672_16262613.jpg
12:00、北横岳に登頂。
南峰よりは風は強くないですが、セルフタイマーを設定し地面に置いたカメラが風で倒れました。


北横岳_a0207672_16282388.jpg
頂上にはガイドさんを含めた4人ほどの若いパーティーがいました。
その中のガイドさんが「今何度かわかります?」と僕に聞いてきたので、
スントのコメットを確認して「-18℃です」と答えました。どうりで寒いわけだ。
するとガイドさんが「いや、-18℃だと鼻毛が凍るからそれはないよ」と言います。
妻の温度計などと照らし合わせると、どうやら現在も-10℃ほどらしいのです。

え〜!ということはコメットがお狂いになられたということ。
前回の奥多摩縦走メンバーから「コメットいいよね〜欲しいな〜」と
散々もてはやされたコメットですが、狂われたのでは意味がありません。
僕は温度計で気温を調べるのが大好きなのでなんとか正確な温度計が欲しいのです。
多少重くともちゃんと計れる温度計…探すか〜。


北横岳_a0207672_16263295.jpg
頂上から眺めた赤岳方面。どすグレーの雲が低く立ち込めております。


北横岳_a0207672_16265357.jpg
12:35、北横岳ヒュッテに戻ってきて昼ご飯です。
コンビニで買ってきたカップラーメンとおにぎりを食べます。
ゴアのジャケットを脱いでモンベルのダウンジャケットを羽織ります。
暖かい!当たり前ですがダウンを着ていれば30分くらいは平気で座ってられました。

しかし、僕のエバニューのアルコールストーブは着火せず。
気温が低すぎるのでしょうか?あまりに寒いので面倒くさくなり、
妻のガスバーナーで1リットルほどまとめて沸かしてもらうことに。
しかし、時折フッと吹く強めの風に風防が飛ばされたりするので手で持ったり、
そうこうしているうちに段々と足が冷えてきて寒いし、鼻水出るし。
ただお湯を沸かすだけなのですが、なかなか難儀しました。

僕はなんとか問題無いレベルでしたが、妻は「寒すぎて死にそうだった」ともらしました。
雪山でご飯を作るというのはなんとも気合がいることですね。


北横岳_a0207672_1627564.jpg
ご飯も食べたしあとは下山するだけです。しかし、雪山ってやはり美しいですね。
他の3シーズンとはまた違った美しさがあるように感じました。
だからこんな寒い思いをしても雪山に登りたくなるのでしょうね。


北横岳_a0207672_16272324.jpg
坪庭あたりでは、灰色の雲の向こうに青空と太陽がのぞいていました。


北横岳_a0207672_16273132.jpg
縞枯山荘への分岐点。このまま帰るのも物足りないので、縞枯山荘をのぞいてみることに。


北横岳_a0207672_16275055.jpg
13:30、縞枯山荘到着。よく雑誌などで見てた特徴ある佇まいです。


北横岳_a0207672_1627576.jpg
小屋の中ではコーヒーを注文しました。薪ストーブの前でしばし暖まりました。
薪ストーブの香りのする薄暗い小屋の中から白い雪の世界をのぞくって、なんかいいですね。
なんとも言えない気持ちになりました。


北横岳_a0207672_16281022.jpg
縞枯山荘を出て山頂駅へ向かい、14:30に山頂駅に到着。


北横岳_a0207672_16281596.jpg
往復の券を買ったのに復路のチケットを妻が落とすというハプニングはありましたが
(結果、登りのロープウェイに乗る前に落としたようで、係の人が拾ってくれてました)
それ以外に大きな問題はなく無事に下山することができました。
ほとんど汗もかいていないので、この日は温泉にも寄らずにすぐに東京に戻りました。

今回の北八ヶ岳は本当にいろんな事を身をもって知ることができました。
これくらいの寒さの中、テント泊するのはなかなか難しそうだな…。
次日帰りで行く時はもう少し足を伸ばして4〜5時間の行程のコースを組みたいです。


人気ブログランキングへ

ブログランキングに参加しています。
良かったら左のボタンをクリックしてください。



by yama-oson | 2011-12-18 20:25 | 山行 (八ヶ岳)

Jun Oson's Blog. Camping, Hiking, Traveling, etc.


by Jun Oson