白馬三山(1日目)
2011年 09月 23日
今回は5人パーティーというなかなかの大所帯で、しかも一人は初テント泊の人もいます。
9月も後半に入ったので寒さに用心しながらの登山になりました。
きっかけは妻と妻の友達Y子ちゃんが「白馬岳に登りたい」と盛り上がったからでした。
Y子ちゃんは今まで小屋泊しかしたことがなく、テント泊デビューしたいとのこと。
「じゃぁ、9月の連休の一つを使って登ろう」ということになり、
山登り仲間のY君とN君も誘って、合計5人の大所帯になったのでした。
前の週に登った燕岳もメジャールートでしたが、白馬岳はそれを凌ぐほどのメジャー級。
白馬山荘は約1,500人泊まれるというのですから尋常ではありません。
「メジャーだし観光名所でしょ?」と思っていましたが、それは大きな間違いだったのです。
【登山ルート】
1日目:猿倉 → 白馬尻小屋 → 白馬岳頂上宿舎(設営)
2日目:白馬岳頂上宿舎(撤収) → 丸山 → 杓子岳 → 鑓ヶ岳 → 白馬鑓温泉小屋(設営)
3日目:白馬鑓温泉小屋(撤収) → 小日向ノコル → 猿倉
竹橋から出ている毎日あるぺん号という深夜バスで猿倉入りすることに。
5:00、猿倉着。まったく寝れないかと思いきや3時間くらいは寝れたので御の字です。
バスを下車後、各々出発準備を進めます。朝食とったり準備運動したり着替えたり。
しかし…寒い!「さすが9月も後半に入ると寒いね!」と言い合ってましたが、
どうやらこの日は特に寒かったようで、この夜それが証明されるのでした…。
防寒具をバッチリ詰めた2泊3日装備で容量がややキツかったので、初めて雨蓋を装着。
そんな関係から最終的な重さは12kg程度に。ここ最近では最も重いです。
しかし、この雨蓋は使いづらい!蓋をあけるとデロンと向こうへ垂れ下がります。
なのでまた閉じるときは「よいしょ!」とこちら側へ戻す、という作業が必要に。
蓋を取り外し可能にしている分、首の接合がタルタルという印象。何か対策があるのかな?
そして一番外に付いている黒い筒状のものが、新投入のスリーピングマット。
山と道 U.L.Pad15s+です。50cm x 100cm x 1.3cmで113gという軽量マット。
今まで使っていたリッジレスト(約260g)と比べてどうなのか?楽しみです。
5人並んでゾロゾロ進みます(笑)。ゾロゾロ歩くだけでなんだか笑えてくるという…。
奥から、僕、Y君、N君、Y子ちゃん、妻(撮影)。
このあたりから徐々に登山客の数は増え始めて、さすが賑やかな雰囲気になっていきます。
写真撮影 N君
20分ほど休憩して出発。お次はいよいよ大雪渓です!ワクワク…。
事前に聞いていた「雪渓をアイゼン着けて2時間くらい登るんだよ」という感じとは程遠く。
なんとも拍子抜け。しかし、遠くから見る山と道 U.L.Pad15s+の黒光り、カッコいいなぁ。
写真撮影 N君
それでも30分くらいは雪渓を歩くので、程良い場所で軽アイゼンを着けて登ります。
たまにこんな大きく口を空けたクレバス?もあったりして。盛り上がります。
とはいえ、"持ってこない"という選択肢もなかったですが。
雪渓登りは普段使わない筋肉を使っているのか、短い距離ながら少し疲れました。
テント泊装備の人にガンガン抜かれていくので少し心配になってきました。
下調べでは本日テント泊予定の白馬岳頂上宿舎のテン場、それほど広いように思えません。
今回は5人いてテントは4張り。早めにいかないと張れないかも?と気になっていました。
ゆっくりペースで登るY子ちゃんとY君は無理せずマイペースを保ってもらって、
僕と妻とN君の3人で先に白馬岳頂上宿舎を目指してテントを張ることにします。
しかし、このテン場は「テン場はこちら」の看板の一つもないのでちょっと迷います。
「なんだ、あんなに急ぐ必要もなかったか」と無駄骨を折ったかと思いましたが
12時を過ぎると一気に混み始めました。その30分が分かれ目だったようです。
そしてY君もY子ちゃんも無事に到着。ただ、Y子ちゃんの疲労困憊ぶりが心配です。
さらに、風が強い…。吹き飛ばないかと心配でテント内に石を置いておきます。
本当は外でワイワイとランチと洒落込みたかったのですが
あまりの強風&寒さで各々テントに引っ込んで昼ご飯とします。
外をのぞいてみると雪!氷に近い感じですが、雪が降ってきているじゃないですか!
妻とY子ちゃんの家、ハバハバには軽く雪が積もっています。風で歪んでるし。
僕のニーモのオビ1は軽量化の為にフライが全体を覆わずに、テントの上部から3/4ぐらいだけ
覆うデザインになっています。そして本体は80%がメッシュ(一つ前の写真参照)。
風に乗った雪がテント内部にたまに入り込んできます。
めちゃ寒いですが、防寒具を着込んでシュラフに入っている限りは大丈夫。
吹雪でやることもないのでシュラフに入ってたら段々と眠くなってきました。
夕方前、自分を呼ぶ声で目を覚ますと、妻が僕を読んでいます。
なんでもY子ちゃんが風邪ぎみらしく、今日はテント泊は止めて小屋に泊まるといいます。
うん、そうしたほうがいい!…でも、初めてのテント泊でシュラフやマット、防寒具など
色々と買い込んで楽しみにしていたY子ちゃんの気持ちを思うと…泣けてきます。
初めてのテント泊が吹雪って…テント泊を嫌いにならないと良いけど。
そうと決まればこんなフライの小さいテントは撤収してハバハバのほうへ移りたい!
妻と手分けして強風の中、オビ1を撤収してハバハバに移りました。
その間もハバハバが風にあおられて大きく歪むので、僕は背中で歪みをおさえます。
なんとかアルファ米と瞬間カレーでカレーライスを作って食べます、の図。
Y君、N君の様子が気になり、二人のテントに声をかけにいきます。
二人とも小さなテントの中から「大丈夫だよ〜風すごいね」と返事が返ってくるので一安心。
寝る前に翌朝の水を汲んでおこうと水場である巨大ポリタンクの蛇口をひねろうとすると
凍っていてビクともしません。小屋を訪ねていってバーナーで蛇口を溶かしてもらいました。
外に出て吹雪の中テントが歪みにくくする細工をします。
しかし…吹雪に遭うとはまったく想像していなかったのでビックリです。
キャプ2、フリース、ダウン、ダウンパンツと防寒具を充実させてきて良かったです。
明日もこのまま吹雪いていたらどうしようか?Y子ちゃんも体調が悪いし下山かな…。
なんて考えている間に眠ってしまいました。
by yama-oson
| 2011-09-23 20:56
| 山行 (北アルプス)